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G検定(日本ディープラーニング協会)の勉強・対策法

はじめに

この度,日本ディープラーニング協会が実施するAIの資格試験であるG検定を受験し,1週間の勉強で合格しました.今回は,実際に受験して感じた難易度や,勉強法や対策をどういったことをしたかをまとめていきたいと思います.

G検定とは?

ディープラーニングの基礎知識を有し,適切な活用方針を決定して,事業活用する能力や知識を有しているか?をはかる検定です. ちなみにGは,Generalの略です.

試験形式はオンラインで実施され,自宅受験ができます.
多岐選択式で,記述や論述回答がないのが特徴です.
時間は120分なのですが小問は200問あります.
オンライン実施のため,参考書等の参照が可能なのですが,毎回確認していると時間はけっこうカツカツになるので注意が必要です.
申し込みはJDLAの公式サイトから可能です.
日程に関しては,年間3回(3月、7月、11月)行われています.
受験料は,一般:12,000円(税抜),学生:5,000円(税抜)でしたが,私が受験したときは自粛期間を学習機会に与えて欲しいとの協会のお考えがあったおかげで,半額で受験できました.
私が受験した回では,12,552名が受験し,8,656名の合格者が出ていたので,合格率は7割近くとわりと高めです.ですが合格率が高いから,めっちゃ簡単!というわけではないことに注意が必要です.

受験理由

私は今理系大学院生でディープラーニングを用いた画像処理や画像認識に関する研究をしているのですが,就職をした後に自分が学んできたものを事業等に活用していける知識としてとっておきたいと感じたからです.なので画像に応用する分野に関してはディープラーニングの知識はありましたが,本検定ではそれ以外にも音声認識などの別の応用や,法律的なことなど,試験範囲全体の7割くらいは知識がない状態で勉強を始めました.

勉強に使った参考書

試験勉強に使った参考書はこの2つになります.あとは模擬試験のStudy AIを使いました.
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ディープラーニングG検定公式テキスト
www.amazon.co.jp

G検定の公式テキストになっているものです.ディープラーニング全体をまんべんなく知ることができます.広く浅くって感じで,これだけで合格するのはちょっと難しい印象です.次に紹介する問題集もセットで取り組むと深く掘り下げて理解できると思います.

ディープラーニングG検定問題集
www.amazon.co.jp

公式テキストに目を通してから,すべての問題を解いてみると理解が進みます.解説も親切に書かれているので,回答を確認するだけでなく解説までしっかりと読むとより理解が深まります.ここで適宜同じ内容の部分を公式テキストで確認すると理解しやすいと思います.

・Study AI
study-ai.com
あとプラスアルファで実践的に問題を解く練習をしたいと思い,Study AIを使いました.

一週間どういった勉強をした?

平日の昼間は研究をしていることもあり,勉強は基本的に夜にしていました.土曜日が試験日だったので,その一週間前から勉強をはじめました.だいたい合計の勉強時間は30時間ぐらいですね.

  • 1日目(土):13:00~18:00 公式テキストを読み読み、5章ぐらいまで
  • 2日目(日):13:00~18:00 残りの公式テキストを読み読み
  • 3日目(月):20:00~23:00 問題集1,2,3,4章
  • 4日目(火):20:00~23:00 問題集5,6,7章
  • 5日目(水):20:00~24:00 問題集8章
  • 6日目(木):20:00~24:00 問題集1~8章の間違えたところ解きなおし,難しいところに付箋貼り貼り
  • 7日目(金):20:00~24:00 Study AI
  • 当日(土):10:00~12:00 全問題の間違えたところの解きなおし

最初は公式テキストを勉強するぞ!って感じではなく読み物として読む感じで,楽しく読み進めました.AIって万能じゃないのね!ELIZAでも人間を簡単にだませちゃうんだ!って感じで楽しく読むことが大切だと思います.3日目からは問題集をがっつり解いていって,間違えたところは繰り返し解きなおして,カンペキにしていきました.

でもやっぱり人の名前とかどうしても覚えにくいところもあるかと思います.
この検定試験は,本やネットで調べて設問に答えることができるため,そういうところは思い切って当日調べるように決めておくのも手です.しかし1問を30秒で解き続けなければならないため,要点はさっと調べられるようにしておく必要はありますね.私の場合は写真のように付箋を貼ってすぐに調べられるようにしておきました.
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試験本番を受けてみて

試験は1問1問答えていく方式です.ブラウザに問題が表示されてぽちぽちボタンを押していって,解いていくカタチです.
ありがたかった機能として,問題画面左上に“この問題をチェックする”というものがあり,ここにチェックを入れておくと,問題画面下の「全ての問題を確認する」を押したときに,見直したい問題が一発で確認できるものがありました.なので解ける問題からパっパっと解いていって,あとからわからなかったのものをまとめて調べながら解くと効率的に問題が解けると思います.

実際に問題を解いていくと,公式テキストや問題集と完全に同じ問題、類似問題、そこから少し応用した問題が3~4割程度だった印象です.ディープラーニングの技術は刻一刻と変わっているので,そういった問題は問題集では対策しきれないなって印象でした.特に法律的な部分は注意が必要です.こういった問題がでてきたときは私はチェックを入れて,最後にまとめてインターネット検索を駆使しながら解いていきました.

受けてみた感じとしては,合格点は公開されていませんが合格か不合格かのギリギリかな…って印象でした.合格率6~7割とは思えないほど難しいな…って印象を受けました.でもなんとか合格していたので,難しくてヤバかった…って思っても合格している可能性は十分あるので自身を持ってください!
合格発表は私の場合は12日後にきました.メールがきて,開くときドキドキでした笑
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おわりに

この検定の勉強を通して,自身が研究で扱っていた部分はディープラーニングのほんの一部であることに気づかされただけでなく,事業にディープラーニングを活かしていく上では様々なことを考慮しなくてはならないことなど,様々な気づきが得られました.今後大学の研究でディープラーニングやりたいって方や,事業に活かせるディープラーニングの知識が欲しいって方はぜひ受験してみてはどうでしょうか?